1988年4月に着工した「世紀の大事業」と言われる東京都庁舎は、第一本庁舎・第二本庁舎・議会議事堂を合わせて、PC版約1万2400枚が使用され、面積は13万㎡にも及んだ。
第一本庁舎は高さ243.3mとなり、インパクトのある最上部のツインビルは、低層部に対して45度交差する大胆な造形となっている。これに対して二種類の水磨き仕上げの花崗岩を先付けしたPC版は、窓廻りや石材に非常に細やかなデザインが施されている。
PC版の種類が数千種類にも登ったが、丹下健三・都市・建築設計研究所の設計・デザインを技術力で忠実に実現した未曽有の大工事は、1990年12月に竣工した。デザインとしては、パリのノートルダム大聖堂の形態を引用しているともいわれている。